スペインのオリーブの花 

スペインは世界一のオリーブ生産国。

オリーブの実の収穫は秋から冬にかけて行われますが、花が咲くのは夏を迎えるちょっと前。

5月の中旬から下旬にかけて、オリーブの花が満開です。

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スペインのオリーブ

世界のオリーブの生産の40%がスペインで行われています。

世界には1,000種類以上のオリーブが存在していますが、スペインで栽培しているのは約260種。

スペインでも特にオリーブの産地として有名な、アンダルシア州ハエン県やマラガ県では、スペインのオリーブの生産の約75%を担っています。

”オリーブの海”と表現されるほどの広大なオリーブの畑、たわわに実がなった畑も感動ですが、短いオリーブの花のシーズンの畑も壮観です。

オリーブの花

スペインではオリーブの花の事を、ラパ(RAPA)もしくはトラマ(TRAMA)とも呼びます。

花のシーズンは、気象状況にもよりますが、通常5月の中旬~下旬にかけてです。

オリーブの枝の先が房のように分かれていて、その房に20~40くらいの花が咲きます。

こちらは、つぼみ。↓↓↓

オリーブは、花全体の約2%が受粉しますが、それ以外のほとんどの花は、花が咲いて1週間くらいで落ちてしまいます。

この花が落ちた頃のオリーブ畑に行くと、地面が花の絨毯で真っ白になるくらい大量の花が散っていきます。

花弁は4枚で、どちらかと言うとちょっと肉厚な感じ、花の大きさは5~6mmです。

オリーブは雌雄同体で、花粉を持つ雌しべと、雄しべで1つの花を形成していますが、自家不和合性と言って、同じ個体もしくは、類似の個体とでは受粉しても受精しない、もしくは実が育ちません。

したがって、大量にある近くのオリーブの花粉では結実しない可能性が高いので、違う種類のオリーブまで花粉が移動することになります。

花粉の移動の際、方法は2つ。1つは虫。虫媒花といって、オレンジや、サクランボ、りんごなんどは、花粉を虫が運んでいきます。

オリーブは風媒花、花粉の移動は風任せです。
(その為、オリーブ花粉アレルギーの方にはつらい季節になってしまいます。特にアンダルシア地方)

落ちずに残った花(2%)が、風で運ばれてきた花粉で受粉して結実しますが、これもその後オリーブの木自体がふるい分けをして、いくつかの実を落としていきます。最終的には、十分に養分を与えられるだけの実を残します。

オリーブの赤ちゃん↓↓↓

また、だいたい2年に1度のサイクルで、実がたくさんなる年、そうでもない年があります。秋~冬に実が大量になっていると、次の年の花の成長に影響を及ぼします。また、実が少ないからと言って翌年必ず大量の花が咲くかどうかは、木の状態にもより違ってきます。

大量の実がなっているオリーブの木が一般的ですが、その実は、花全体のほんの一握りの”選ばれし者たち”だったんですね。

オリーブはモクセイ科

モクセイ科の他の植物は例えば、ジャスミンやライラック、金木犀などが有名で、どれも香りの強い花が咲くのが特徴ですね。

オリーブの花も近づいてみると甘い香りがしますが、ジャスミンやライラックや金木犀ほど自己主張は強くない控えめな香りです。

オリーブの花言葉

オリーブの花言葉は、『平和』と『知恵』

『平和』は、旧約聖書の創世記にあるノアの箱舟の話からで、神様は堕落した人類を滅ぼすために大洪水をおこしますが、ノアに箱舟を造らせ、家族と地上のすべての生き物のつがいを船に乗せ助けます。

洪水が終わって水がひきはじめたかどうか鳩を放つと、鳩がオリーブの葉をくわえて戻ってきて、洪水の終わりを知る事ができました・・・。この事から鳩とオリーブが平和の象徴。

『知恵』は、ギリシャ神話のアテナとポセイドンの競争より。オリンポスの神々は、ある土地の守護神の座を決めるのに、知恵の女神アテナと海の神ポセイドンに、「2人のうち、人々に最高の贈り物をした者に守護神の座を与える」という事で、ポセイドンは、地を打ち、水の流れ出る泉を、アテナは、オリーブを贈ります。軍配はアテナの方へ、そして現在のギリシャ・アテネの守護神の座についたのです。(アテネの地名の由来もこれ)

まとめ

日本ではなかなか見かけないオリーブの花ですが、スペインではアンダルシア州だけではなく、例えばマドリードの公園にもオリーブの木はたくさん生えていて、花をまじかに見る事ができます。

誕生花と言うのもあって、オリーブの花が誕生花の日は、5月26日です。

ちょうどその頃がオリーブの花が満開です。