スペインの「ひまわり」ベストシーズンはいつ?

スペインの夏のイメージと言えば、ビーチとサングリアとひまわり畑‼(でしょうか?)

見渡す限り一面に咲きほこる黄色の花は、見る人に元気と感動を与えてくれます。

スペインのひまわりのベストシーズンはいつでしょう?!

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スペインでひまわりが見れる場所

スペインで広大なひまわり畑で有名なのは、南スペイン、アンダルシア州。

アンダルシア州の州都セビリア、その北東約35㎞にカルモナという小さな町があります。

カルモナの街自体、アンダルシアらしい白い壁の建物が並び、また15世紀のカステーリャ国王ペドロ1世の居城跡に造られたパラドール(国営の人気ホテルチェーン)などアンダルシアの観光地の一つとして人気があるところです。

街の周辺には広大な畑が広がっていて、そのうち約30,000ヘクタールの畑が、夏が始まる頃になると大輪のひまわりの花で埋め尽くされるのです。

このカルモナ周辺のひまわり畑が特に有名で、日本からもこちらのひまわりを見るために、毎年多くの観光客が訪れる場所です。

カルモナ周辺のひまわりが人気なのは?

日本国内では、春には桜の花を愛でたり、芝桜や、ラベンダー、コスモスなどの花の絨毯を楽しむために多くの人で賑わう花畑は季節の風物詩。

スペインではどうかというと、スペイン人も畑一面のひまわり畑を目の前にすれば、もちろん写真をとって感動すると思いますが、わざわざそのために、時期を選んで旅の予定を立てる人はそんなに多くはありません。

実際、ひまわりのシーズンに、たまたま列車やバスで通りかかった丘の斜面が、ひまわりで一面埋め尽くされている感動的な場所を通過中だとしても、私(日本人)以外は、気づいても特に反応しない、もしくはぐっすり夢の中で気づきもしない・・・のどちらかが多いです。

とにかく、日本人のように、「うわぁぁぁぁぁ❤ひまわりだぁぁぁ!!!!!」の反応はありません。

(近年は、SNS上でも「ひまわり畑と私(?)」は人気なようなので、スペイン人や他の外国人観光客もこの時期ひまわり畑で写真を撮る人は増えているようですが。)

日本からは、スペインのひまわり畑があまりにも魅力的なせいか、わざわざこのひまわりのために、スペインのアンダルシアを訪れる観光客の数は、毎年確実に増えています。

でもなぜ、遠く離れたスペインのひまわりを日本人が興味を持ったのでしょうか?

実は、これには仕掛け人というか、人気がでた理由があります。

それが、TOYOTA のWISHという車のCM。(←you tubeでありましたので興味がある方はどうぞ)

TOYOTA WISH ウィッシュ(WISH)は、トヨタ自動車が2003年(平成15年)から2017年(平成29年)まで生産していたミニバン型の乗用車である。ミニバンとしては全高が低く抑えられたデザインとなっている。引用:ウィキペディア

2003年~2004年にかけ放映されたCMの撮影が行われたのが、なんとこのカルモナのひまわり畑。
ひまわり畑の間の細い道を、ひまわりと車が触れるほどの近距離で走り抜けていくシーンです。

黄色には、ポジティブなエネルギーを感じさせるイメージもあり、インパクトのある一面の黄色い花と車というコンセプト、またその撮影が太陽の国スペインで行われたという事もあって、「スペインに行ってみたい、そしてぜひあのひまわり畑に行きたい‼」と人気が広がっていったようです。

参考資料:Diario Sur

ひまわりのベストシーズン

さて、気になるお花見のベストシーズンですが、

ひまわりは日本では真夏の花7月から9月。
開花のピークは、場所によって多少の違いはありますが、7月下旬から8月終わり位まで。

学校の夏休み、お盆の帰省シーズンにひまわりの見頃を迎えます。

スペインでは、特にアンダルシア州では、日本で考えるよりかなり早くひまわりの花は咲き始めます。

これは、自然のものなので毎年多少のずれがありますが、通常スペインのアンダルシア地方では、ひまわりは5月下旬から6月上旬にかけてというのが一般的です。

※今年(2021年)は、カルモナ周辺のひまわりは、6月の第1週目には見頃を迎えていました。

アンダルシア州は真夏は40度を超えることもしょっちゅうで、日本のひまわりのピークの頃(7~8月)には枯れています。

花が2~3個しか残ってないようでは残念なので、花の時期を間違えないようにしましょう。

日本の大手旅行会社では、日本からのツアーにひまわりを見るコースが期間限定で組み込まれているので、相談してみるといいと思います。(それでも花の時期はその時にならないとわからないので、100%の確率ではないことは、ツアーの条件にもうたってあると思います)

カルモナまではセビリアから路線バス(約50分くらい)で行くこともでき、そこからタクシーでなるべく近くまで行って写真をとる観光客の姿もみられます。

新幹線(AVE)でマドリード→コルドバ→セビリア線の車窓から、コルドバの街を出てすぐの辺りでもひまわり畑が見えてきます。

この辺りの畑は、小高い丘の斜面で行っても行ってもひまわり畑という景色、車窓からでも十分感動します。もちろんバスでこの辺りを通過しても見えてきます。

スペインでも、アンダルシア州だけにひまわり畑があるわけではないので、他の地方では、7月、8月にもひまわりが咲いている畑はあります。アンダルシア州以外では、カスティーリャ・ラ・マンチャ州、カスティーリャ・イ・レオン州でもひまわりの栽培に力を入れています。

世界遺産の街、セゴビア~アビラの間にも、車窓から一面のひまわりが見える畑が広がっていて、このあたりでは、7月~8月頃でも花が咲いている年もあります。

特にひまわりを見る事を期待していなかったけど、「こんな所にもこんなにたくさん咲いてる‼」ということもありますので、5月下旬~6月上旬のアンダルシア地方でひまわりを見逃しても、運がよければ、けっこうひまわり畑に遭遇します。(ただ、期待してないから、そういう時に限ってぐっすり眠ってて見逃す・・・かもですが)

ひまわりの歴史

ひまわりは、もともと北米原産の植物で、ヨーロッパへは、スペイン人が16世紀の初め頃持ち込み、広がっていきました。

初めは、観賞用で、食用ではありませんでした。

はじめてひまわり油を商業化したのはイギリスで、18世紀の初めの事。イギリスはその時機械による搾油の特許を取得しています。

ロシアでも同様に初めは観賞用でしたが、19世紀になってロシア正教会で四旬節(イースター前46日間)の期間中、ほとんどの油を使った食品の摂取が禁止された時、ひまわりオイルはそのリストにはなく、一気に人気が高まっていき、今では世界有数のひまわり栽培国、ペルーとともにロシアでもひまわりは国花となっています。

世界のひまわり栽培ランキングでは、

1位 ウクライナ
2位 ロシア
3位 アルゼンチン

12位 スペイン

となっています。

スペインでは、南スペインアンダルシア州が国内では一番の栽培量でしたが、現在はカスティーリャ・イ・レオン州がトップです。

スペインの灌漑システムは、畑全体の10%ほどで、あとは自然まかせ、気象状況によって毎年大きくかわってきます。

その上、外国からの安いひまわりの種の輸入の結果、益々スペインのひまわり農家は厳しい状況にあります。

スペイン中央政府からの援助が思うように受けられないひまわり農家では、必要経費を補うのがやっとの状態が続いていて、ひまわりより条件のいい農産物の栽培に乗り換える農家が増えています。

スペインからひまわり畑が消えてしまう事はないとは思いますが、このままではその数がかなり減っていくのは間違いありません。

ひまわりの花

日の方向を向いて周る花、日周り。向日葵。

太陽の恵みでしっかり育つように太陽と一緒に向きを変え、日が沈んでまた朝になる頃には、ちゃんと頭を東に向けて朝日を待っています。

枯れるまで太陽を追い続けるわけではなく、ある程度成長し花が咲くころになると、太陽を追って東から西に動く割合が小さくなり、それでも夜はまた頭を東にもどし、最終的にはほぼ東を向いたまま動かなくなります。

ひまわりをあまり近くからじっくり見る機会はないかもしれませんが、花は2種類の形になっていて、外側のいわゆる黄色い花弁の部分は、舌状花といい、その内側、真ん中種の部分にも、小さな花がいっぱいついています。この小さい花は、筒状花と呼びます。

上の写真では、真ん中の緑の部分はすでに種のように見えますが、これは筒状花のつぼみ、これから花が咲いていきます。

種は、フィボナッチ数列という数学の法則にもとずいて、スぺ―スに全く無駄がない、最大限に種がぎっしり詰まる数とその角度を自然に計算して配列してあります。←(フィボナッチ ひまわり って探すといろいろ詳しく説明してあるのがいっぱいありますよ、結構神秘の世界でおもしろい!)

種を造るための受粉は、虫(主にハチ)が花粉を運んでくれるので、人の手で受粉をする必要はありません。

種は搾ってひまわりオイルに、もしくは、種は人も食べます。

世界一のオリーブ生産国スペインにおいて、もっとも一般的な食用の油はオリーブオイルですが、近年のオリーブオイルの値上がりで、ひまわりオイルの消費も増えています。

健康面的には、双方の含有成分の違いがあり一概には言えませんが、スペインでは、伝統的にオリーブオイルの方がより優れているということがいつも言われています。

値段を比較すると、ひまわりオイルはオリーブオイルの1/2~1/3の金額で販売されています。

そして、スペイン人はひまわりの種、食べます。皮ごと口に入れて、器用に中身だけ食べてます。あまりにも器用に普通に食べてるその姿に、スペイン生活の初めの頃はビックリしながら見ていましたが、そのうち簡単に口の中での皮むき術を習得。食べ始めたらいつまでも止まらなくなってしまうPIPAS(ヒマワリの種)です。

まとめ

種をとるのが目的のひまわり、日本で見るひまわりより、背も高く、花も大きくたくましいです。

元気エネルギー(?)いっぱいの ひまわりの花。

5月、6月にスペインを訪れる機会があったら、どこかではひまわり畑見れるといいですね。